ブラジル移住者里帰り訪日使節団

【2019年】

2019年度は、前年度の経験と成果を踏まえてブラジル側で立ち上がった「架け橋プロジェクト委員会」の活動を継続的に支援するために、竹内運輸工業からの出資により新たに基金を設立。当協会とブラジル日本文化福祉協会(以下、文協)との共同事業として実現しました。

西村リカルドさんをはじめ、2018年度に招聘したプロジェクト団員が中心となって文協内「架け橋プロジェクト委員会」を発足。2019年度は、同委員会のメンバーから、アンドレ・サイトウさん、アレシャンドレ・カワセさんの2名を招へいしました。

2名は第60回海外日系人大会のオープニング・イベントである「第4回国際日系歌謡大会」および第60回大会3日間のプログラムすべてに参加し、大会2日目のパネルディスカッション(アンドレ・サイトウ氏)、3日目の「日系人の主張~5分間スピーチ」(アレシャンドレ・カワセ氏)においてそれぞれ発表したほか、当協会事務所の訪問、スタッフとの意見交換会やJICA横浜 海外移住資料館の視察等、短いスケジュールにもかかわらず精力的に活動しました。

「架け橋プロジェクト委員会」では、これまでにサンパウロをはじめとするブラジルの8都市で、「Projeto Geraçao(ジェネレーション・プロジェクト)」と名付けたブラジルの日系レガシーについて考えるための講演会やワークショップを実施しており、今後はさらに多くの都市での開催を計画しています。

ハワイで開催した第59回海外日系人大会では、6月20日を世界共通の「国際日系デー」と定めることが決議されましたが、同委員会では2019年6月に、初の「国際日系デー」を記念するイベントをサンパウロにおいて企画・開催し、日系・非日系を問わず多くの関心を集めました。この流れを受けて、サンパウロ市議会議員のアウレリオ・ノムラ氏が、6月20日を「国際日系デー」としてサンパウロ市の公式カレンダーに登録することを求める提案を行い、2019年9月にサンパウロ市議会にてこれが決議されています。

招へい者の2名は、今回のプログラムに参加した感想を、「短かったけれどとても充実したプログラムだった」「大会ではたくさんの人々と交流することができ、濃密な経験となった」「これからもプロジェクト委員会と日系人協会とで連携し、ジェネレーション・プロジェクトを推進していきたい」などと話していました。

【概要】
・招へい者数:2名
・実施日程:
   2019年9月26日 ブラジル出発
   9月28日 日本到着
   10月1日~3日 第60回海外日系人大会参加
   10月4日 JICA横浜 海外移住資料館視察・講義
   10月5日~親族訪問等
   10月6日 日本出発(カワセさん)
   10月12日 日本出発(サイトウさん)

【2018年】

招へい対象を移住者の子孫にまで広げ、「日本ブラジル架け橋交流プロジェクト」として初めて実施。ハワイで行われた第59回海外日系人大会に、ブラジルから16名の若手日系人を招へいしました。これは、「明治150周年」「ブラジル日本移民110周年」を記念して、当協会がサンパウロ新聞、NPOチャレン・ジブラジルと共に主催したもので、竹内運輸工業(竹内政司社長)からの特別協賛を得て実現しました。

招へい期間は約2週間、前半はハワイで開催された第59回海外日系人大会に参加し、後半は日本で浅草や皇居、日光東照宮、大泉町のブラジルタウンなどを視察したほか、日本社会や文化等にかかる講義を受講し、日本社会を体験しました。また、当協会スタッフと意見交換会を行いました。

団長の西村リカルドさんは、「ハワイで海外日系人大会に参加したことは、自分たちの日系レガシーについて改めて考えるきっかけとなりました。帰国後、ブラジルの日系レガシーを引き継いでいくために何ができるのかを考えていきたい」と話しました。

【概要】
・団員数:16名
・実施日程:
   2018年6月4日 ブラジル出発
   6月5日 ハワイ・ホノルル到着
   6月6日~7日 第59回海外日系人大会参加
   6月9日 ハワイ出発
   6月10日 日本(成田)到着
   6月11~15日 都内および横浜、群馬(大泉町)視察・講義
   6月16日 日本出発
   6月18日 ブラジル到着

当協会スタッフとの交流会

【2013年】

日本からブラジルへ移住後、おおむね50年以上経過しながらこれまで訪日の機会のなかった移住者20名の方を日本に招へいしました。篤志家による寄付を受け、サンパウロ新聞社及びNPO法人チャレンジ・ブラジルとの共催で実施しました。

招へい期間は約3週間、うち日本到着時と日本出発時の3日間は都内視察を中心とした集団プログラムを行いました。

4月2日に行われた歓迎レセプションでは、訪日団団長から「日本に帰りたい、帰りたいと50年間思っていたが、仕事や日々の生活に追われ、とてもそんな余裕がなった。もうあきらめていた。それが今回、皆様のおかげで帰ってこられてたいへん有り難い」と挨拶がありました。

集団プログラム以外の期間は、日本の親族・友人を訪ねたり、先祖のお墓参りなどをして過ごしました。

団員のみなさんは、それぞれ日本での思い出を胸に、たいへん満足された様子でブラジルへ戻りました。

【概要】
・目的:ブラジル移住の先駆者に対し永年に亘る労苦をねぎらい、日本精神と開拓精神の高揚を図るとともに、二国間の相互理解と友好親善の促進に寄与することを目的とする。
・団員数:20名(他付き添い13名)
・実施日程:
   2013年3月30日 ブラジル出発
   4月1日 日本到着
   4月2日 都内視察、歓迎レセプション
   4月3日 都内視察、解散(親族訪問等、自由行動)
   4月17日 集合、お別れ会
   4月18日 都内及び成田視察、日本出発
   4月19日 ブラジル到着

歓迎レセプション
成田山新勝寺